母は『遅咲きの梅』『流星雨』を読んだ
作家の津村節子さんについてのぼくの知識は、作家の吉村昭さんの配偶者であることぐらいしか知らず、人となりについても吉村さんのエッセイからしか伺うことはなかった。
大活字本シリーズに津村さんの作品があり、まずは『遅咲きの梅』を手に取ってみた。
巻末の解説文を読むと、実家や婚家で苦労した女性が自立していく物語らしかった。母が好きそうな話の気がしたので図書館から借りてみた。
予想通り「良かった!」という母の感想。解説文の執筆者は「『遅咲きの梅』と『炎の舞い』が傑作だと思う」と書いているので『炎の舞い』を読んでみたい、とのことだった。さっそく図書館の検索システムでサーチしたが、所蔵はなかったようだった。古い作品なので、たとえ所蔵があったとしても大活字本でなければ読みづらいかもしれない。
そこで、次は『流星雨』を借りた。
『流星雨』は、津村さん初の本格的歴史小説だとか。吉村さんは歴史小説の大作を多数執筆されているので津村さんの作品も保証ずみ、と思いきや、お互いの作品を読まないご夫婦だったそうだ。
母は学生のころは歴史の授業が嫌いだったので「歴史を知っていればもっと楽しめたかなぁと思った」という読後の感想だった。『流星雨』は幕末の会津城落城後の藩士やその家族たちの苦難を描いた小説だそうで、「仲間や家族が散り散りバラバラになった様をタイトルに込めたのだろう」という母の推測。
読者の方、この推測合っているのでしょうか?