母(80)と僕の読書の記録とその周辺

母は小説が好き、僕はノンフィクションが好き

母は『海嶺』を借りた

母が『続・氷点』を読み終え、同じく三浦綾子の『海嶺』を読みたいというので図書館で借りてきた。

 

『続・氷点』は僕が大学生の頃に読んでそのまま段ボール箱にしまいっぱなしにしていた。それを母が片付けの最中に取り出して読んだ。

 

僕は『氷点』も読んだはずなのだけれど、母が言うには見つからなかったそうだ。僕が捨ててしまったのかもしれない。

 

『続・氷点』の巻末の解説に『海嶺』について触れていたらしく、これもベストセラーになったから読んでみたいとのことだ。

 

僕も三浦綾子の小説は何冊か読んで、「善人しかでてこないなぁ」という感想だけが強烈に残ってしまい、肝心の物語はおおよそ忘れてしまった。なんだか道徳の教科書を読んでいるような気分になったのだ。

 

母の三浦綾子評は「重いなぁ。考えさせられながら読んでるよ」だった。

 

借りてきた『海嶺』は1983年に出版されて、母が読むにはフォントサイズが小さいと思ったけれど、「『続・氷点』もこれくらいの文字の大きさだったから大丈夫よ」と言った。

 

 

 

 

 

ちなみに僕が今読んでいるのは、辻堂ゆめの『トリカゴ』。

社会のセーフティーネットからこぼれ落ちた無国籍者や、コロナ禍の街並みなどが描写され、同時代的物語。最初の数ページでこれは面白い、と思いつつ、読むのが遅くて図書館の貸出期間を延長申請してしまった。

 

僕は本を読むのが遅くなったことがとても悲しい。

母は驚くほど速くて羨ましい。